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はじめに – カナダ入国は国籍により異なる
カナダにビジターとして入国する際の手段は、国籍によって異なります。
大きく分けると、
- カナダ国籍保持者またはカナダの永住権保持者
- アメリカ国籍保持者またはアメリカの永住権保持者
- 入国VISA免除適用国の国籍保持者 (eTA適用)
- 入国VISA申請が必要な国籍保持者(ビジターVISA、他名TRV:Temporary Resident Visa)
に分かれます。
日本国籍はVISA免除の代わりにeTAの申請が必要
日本、香港や韓国の国籍保持者はVISA免除適用の国のため、飛行機でカナダを経由する場合と飛行機でカナダへ入国する場合にはeTAの申請が必要になります。
eTAとはElectronic Travel Authorizationの略で、VISAが不要な国籍の人がカナダに入国する手続きのオペレーション上の簡略化を図り、時間や手間の短縮化のために設定されています。
一度、発行された場合5年間有効になります。
VISAが免除されている国籍の人が、アメリカから自動車やバスでの入国や船での入国する際にはeTAは不要になります。
詳しいeTAに関しては、カナダ政府のサイトをご確認下さい。
中国、ミャンマーなどの国籍はビジターVISA(TRV)の申請が必要
中国、ミャンマー、ベトナム、インド、パキスタンの国籍保持者は飛行機、車、バス、列車、クルーズ船など、あらゆる渡航方法でカナダに入国する際にビジタービザ(TRV)が必要になります。
最新の国籍分けリストはカナダ政府のサイト(country’s entry requirements)をご確認ください。
TRVの申請にて、許可が出やすい国と出にくい国があります。
最近のTRVの審査の過程で解析(ANALYTICS)が使用されています。代表的なものはEXCELツールであるChinook(以前)やAdvanced Analytics/AIにて申請の仕分けをしているという事実が’公開されています。
そのため審査の拒否されることを見込んで、最初の申請から全ての書類を用意することが大切です。
カナダへのビジターVISA(TRV)の許可を出す判断するポイント
- 訪問期間終了後に出国する意思があるか (Intent to depart)
- 申請者のカナダ入国・滞在の目的の信憑性
- 申請者の予定するカナダでの滞在期間、または長期滞在の意思の有無
- 申請者が居住国と家族や経済的なつながりがあるかどうか
- 申請者の居住国での移民ステータス
- 申請者の居住国での経済状況(居住国での資金、雇用)
- 申請者の居住国の政治状況やその他の義務
- 申請者の渡航歴、過去のカナダへの渡航申請履歴
- 申請者のカナダでの家族の有無
- カナダにいる家族や団体からの招待状
- 滞在と帰国に必要な滞在資金があるか (sufficient funds)
- 提出した書類に信憑性があるか (Lack of authenticity or credibility of the submission)
- 提出書類に不備がないか
- 健康診断 (必要な場合と不要な場合あり)
- 申請者または申請者の家族が入国不許可の場合。(inadmissibility)
-
- 安全保障上のリスク (security risk)
- 人権または国際的権利の侵害 (human or international rights violations)
- 重大な犯罪、犯罪、組織的犯罪(criminality, serious criminality, organized criminality)
- 健康上のリスク (health risk)
- 経済的理由 (financial reasons)
- 過去のカナダ政府への虚偽申告 (misrepresentation)
- カナダの法律の不遵守(non-compliance with the IRPA)
- 入国不許可の詳細はカナダ政府のサイト(inadmissibility)をご参照下さい。
カナダへのビジターVISA(TRV)に必要な書類
VISAが必要な国籍の方が、カナダへのビジターを申請する場合に必要な書類は、国籍によって異なります。
詳しくは、カナダ政府のサイト(TRV)から国ごとの必要書類を確認しましょう。
カナダへ一時的入国VISA(TRV)の種類
カナダへ一時的入国をするVISAには4種類あります。
- 複数回入国可能なVISA(Multiple-entry visa)
- 一回限りの入国のためのVISA(Single Entry visa)
- 最終目的地は他国であるが、カナダを経由する際のVISA(Transit visa)
- 両親と祖父母のVISA(Parent and Grandparent Super Visa)
複数回入国可能なVISA(Multiple-entry visa)
- 現在ではビジターVISAは複数回入国可能なVISAが発行されます。
- 最大6か月間カナダに滞在できます。延長する場合は、手続きが必要です。
- 一度申請が降りた場合は、10年間有効、またはパスポートの有効期限が切れる一か月前に切れてしまうので気を付ける必要があります。
一回限りの入国のためのVISA(Single Entry visa)
こちらのVISAは現在では特例として使用されます。例)外国政府の公式訪問など
最終目的地は他国であるが、カナダを経由する際のVISA(Transit visa)
- 最大の乗り継ぎの時間は48時間までカナダに滞在できます。
- こちらのVISAの詳細はカナダ政府のサイト(transit visa)をご確認下さい。
両親と祖父母のVISA(Parent and Grandparent Super Visa)
- カナダの国籍や永住権を持った子供や孫が居る場合、最長年間までカナダに滞在できる10年間有効なVISAです。
- 通常の短期VISAは、最長6か月間までの滞在が基本であり、それより長く滞在する場合は延長申請がいるのに対し、こちらのVISAでは二年間滞在可能なため、6か月以上の家族の滞在を計画する際に使用します。
- 就労や就学の許可はできません。
- 申請には、カナダの国籍や永住権保持者が家族のカナダ滞在をさせるための経済的サポートをするという申告レターと収入の証明と少なくて一年間の保険の加入が必要となります。
- こちらのVISAの詳細はカナダ政府のサイト(super visa)をご参照下さい。申請方法
VISA取得をしていても、入国が必ず許可される訳ではない。
実は、VISAが許可されたからと言って、カナダへの入国を保証するものではありません。
カナダの入国窓口(POE)で入国をする際は誰もが、カナダ国境サービス庁(CBSA)のオフィサーによって審査されます。入国を許可されるかどうかの最終判断、またどのような入国条件を許可されるかは国境サービスのオフィサーによって決定されます。
そのため、VISA申請に使用した書類のコピー、パスポート、カナダ政府(IRCC)からのレターを用意する必要があります。
また、カナダの法律上、国境サービスのオフィサーには所有している携帯、タブレット、PCなどの電子機器を調査する権利が与えられています。詳細
この項目は、他の記事で詳細を書く予定ですが、情報をすぐ知りたい方はカナダ政府のサイト(examination and entry)をご参照下さい。
カナダへ入国に二重目的がある際(dual intent)
カナダにビジター、就学、就労として入国をする際に、滞在期間が終了した時点で、規則を守り、居住国に帰国することが前提として入国許可が発行されます。
しかし、このようにビジターや学生、または短期労働を目的として入国する人がカナダでの永住権取得を希望している場合、二つの目的(短期滞在の目的と永住の目的)があるというジレンマが起こります。
このような状況があることを政府は把握しており、法律・行政上のジレンマを取り除くためにカナダの移民法(s.22(2) of IRPA)で明確に許可をしました。
An intention by a foreign national to become a permanent resident does not preclude them from becoming a temporary resident if the officer is satisfied that they will leave Canada by the end of the period authorized for their stay.
多目的入国が許されているからといいって、不法滞在が許されるものではありません。政府から許可された期間を過ぎた滞在は不法滞在となります。
そのため、VISAオフィサーや国境を管理しているオフィサーに法律を守って、不法滞在をしないということを証明する任務があります。オフィサーが納得できない場合は、入国が拒否されてしまいます。
二重目的入国者の任務
- 許可された滞在期間終了後、カナダを出国すること
- どの程度母国と居住国との関連があるか
- PR申請が却下された場合の計画
を示す必要があります。
二重目的の詳細は、カナダ政府のサイト(dual intent)をご参照下さい。
TRVが許可されなかった場合の対処法
- 情報へのアクセス(ATIP)を要求し、拒否理由の詳細を把握。
- IRCCに再考を要請する。<case-review-im-enquiry@cic.gc.ca>
- 再度、TRVの申請をする。
- 30日以内に返答がない場合、返答して同じものを使用することができる。
- オフィサーとの直接面談(In-Person Interview Under Procedural Fairness)
- 連邦裁判所にvisaオフィサーの法律の適応に誤りがあったことを訴える。(Judicial Review)
- 連邦裁判所で訴えが認められた場合は、他のVISAオフィサーが審査を行う。